【8月15日 AFP】イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は13日、首都テヘランで、イスラム教シーア派(Shiite)系のイエメン反政府武装組織フーシ派(Huthi)のムハンマド・アブドル・サラム(Mohammed Abdul Salam)広報と会談した。ハメネイ氏はフーシ派への支持を改めて表明するとともに、中東でイランと敵対するサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)がイエメン分裂をたくらんでいると批判した。

 イエメンではイランの支持を受けるフーシ派が首都サヌアと北部の大部分を支配。サウジとUAEが南部の勢力を支持し、介入を続けている。

 南部にある同国第2の都市アデン(Aden)では10日、UAEの支持を受ける独立派が、サウジの支持を受けるアブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定大統領の宮殿や軍基地を占拠した。

 サウジとUAEは互いを主要な協力相手としているが、アデンでの事態はイエメン暫定大統領派にとっての打撃となるだけでなく、サウジ主導の連合における方向性の違いを浮き彫りにし、フーシ派との戦いにおける連携を弱体化させる可能性がある。

 ハメネイ師は会談で、「イエメンの宗教的、民族的多様性を踏まえれば、イエメンの一体性を守るには国内の対話が必要だ」と指摘。さらに、「(サウジ、UAEなどによる)イエメンでの犯罪に対する西側世界の無関心」を非難した。(c)AFP