【8月21日 CNS】中国と米国の国交樹立40周年を祝い、かつて中国に留学した米国人の再会イベントが8日、サンフランシスコ総領事館で開かれた。それぞれ異なる時期に中国で勉学に励み、中国人と交友を結んだ50人以上の米国人元留学生らが集まり、当時を懐かしく振り返りながら、中米関係の未来について語り合った。

 カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の社会学部教授トマス・ゴールド(Thomas Gold、中国名:高棣民)氏は、40年前に上海人民広場(People's Square)で何百人もの中国人に囲まれたことを鮮明に覚えている。1979年、米国から最初に中国に派遣された留学生の一人として上海に降り立ち、復旦大学で1年間の留学生活を送った。彼はたびたび人民広場に行っては中国人と交流した。何百人もの中国人が彼を囲み、米国の社会や対中政策などについて彼に熱心に質問した。ゴールド氏は「あの頃、誰もが両国関係に対して楽観的だった」と述懐する。

 ゴールド氏が40年後、再び上海を訪れると、この都市の激しい変化に驚かされた。そして同時に、両国が直面しているさまざまな問題も彼を悩ませた。「私の今までの人生で、そのほとんどは両国関係を良くするために費やしてきました。両国関係が悪化すれば、人生を台無しされてしまうような気がします」とゴールド氏。さらに「両国の関係が1979年のような楽観的な状況に戻ってほしいと思います」と語った。

 2008年に雲南師範大学(Yunnan Normal University)に留学した呉悠(Wu You)氏は、留学前はずっとサンフランシスコのベイエリアで暮らしていた。「中国留学の1年間で学んだ知識は米国で10年間学ぶよりも多かった」と話す。呉氏は「中国で暮らす経験がないと、なかなか本当の中国を知ることはできない」と考える。米国に戻った後、彼はよく友人に中国の話をしたり写真を見せたりしたという。

 呉氏がいま勤めている会社の受託生産工場は中国にあり、中米貿易戦争に非常に大きな影響を受けている。そして「貿易戦争が早く終わってほしい」と願っている。

 中国のサンフランシスコ総領事の王東華(Wang Donghua)氏は「両国関係が困難な時こそ、双方の友人たちが積極的かつ理性的な声を出す必要がある。理性の声が大きくなれば、両国関係が健全な発展の軌道に立ち戻れるはずだ」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News