【8月19日 CNS】夏休みの間、15歳の于子昂(Yu Ziang)君はほとんどダンススタジオでコーチと過ごしている。8月中旬、彼は北京市の代表として、第2回全国青年運動会(Youth Games of the People's Republic of China)のブレークダンスの試合に出場した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は6月、2024年パリ五輪でブレークダンスを新種目として追加することに原則合意したと発表した。このニュースを聞き、于君の胸は高鳴っている。これまで11年間、ストリートダンスを学んできた彼は、2024年でちょうど20歳。体力と技術力が求められるブレークダンサーにとって「ゴールデンエージ」という。

 2004年生まれの于君は内向的で無口な性格で、4歳のときに両親の勧めでストリートダンスを始めた。環境は恵まれていた。マンツーマンのレッスン、専門のダンススタジオ、インターネットから得られる豊富な情報、そして最も重要なのは親からのサポートだ。一日も休むことなくストリートダンスを習い、昨年は高校入試準備のため、やむを得ず1年間休むことにした。

 全国青少年運動会を目標に、于君は夏休みの間、毎朝9時から2時間、体力強化トレーニングをした。午後3時半からコーチによる指導と基本スキルの練習に取り組み、夕方からは2組のダンサーが対決するダンスバトルを繰り広げた。

 IOCがブレークダンスを正式採用するのは2020年12月になるが、そのときがブレークダンサーにとって、ストリートから「五輪ステージ」に行くチャンスとなる。

 中国ダンサー協会(Chinese Dancers Association)ストリートダンス委員会事務局長の夏銳(Xia Rui)氏によると、ブレークダンスはストリートダンスの中でも競技性が高く、体力と技術の両面で高度なレベルが求められる。それが、IOCがブレークダンスを選んだ理由かもしれないという。

 夏氏によると、ブレークダンスは中国の若者の間で人気が広がっている。現在、プロのストリートダンサーは約300万人いて、その5分の1がブレークダンサーだ。

 夏氏は最近、ストリートダンスのテレビ番組の企画に携わった。彼はダンサーたちが市民権を得て、生計を立てられるシステムをつくり出そうとしており、バラエティー番組とのコラボレーションも考えている。「ストリートダンサーが、ちゃんと家族養えるようになってほしいです」という夏氏。ダンス業界が発展すれば、ダンサーたちは創造的ダンスを追い求めながら、生活レベルも向上できるはずだと考える。

 第2回全国青少年運動会で、初めて採用されたストリートダンス。于君ら北京代表選手は7月30日から正式に集結し、トレーニングを開始している。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News