【8月13日 時事通信社】逃亡犯条例改正に反対する大規模デモが香港で始まってから3カ月目に入ったが、混乱は収束する気配を見せない。反対派は13日も香港国際空港に集まり、9日から5日連続で座り込みを敢行。穏健なデモ行進から始まった抗議活動は、警察署の襲撃や空港占拠といった過激な形に発展しており、警察当局の対応も強硬になる一方だ。

 香港政府の発表によると、相次ぐ抗議活動の影響で、8月初旬の香港旅行者は前年同期比3割減。米国やオーストラリアが相次いで香港渡航に関する警戒レベルを引き上げており、客足の戻りも見通せない。デモが起こるたびに閉店せざるを得ない小売業の業績悪化も深刻で、経済都市としての基盤や国際的信用が揺らぎ始めている。

 事態収拾に動くべき政府トップの林鄭月娥行政長官の求心力は弱まる一方だ。13日の会見で林鄭氏は「香港は暴力によって後戻りできない道に追い込まれている。皆に、落ち着いて香港に目を向けるよう改めて呼び掛ける」と述べた。

 林鄭氏が涙をこらえるように言葉を詰まらせた場面もあったが、多くの香港市民にとって、「暴力」を振るっているのは市民ではなく警察側との認識だ。締め付けを強めつつ妥協しない政府と、警察との衝突が発生するたび不満が募る市民側の溝は深まり続けている。

 12日の座り込みに参加した女性(25)は、デモに参加し右目に重傷を負った女性のニュースに接し、空港に来た。「到底受け入れられないレベルの暴力だ。香港を訪れた人たちに、政府と警察が何をしているのか知ってほしい」と話した。(c)時事通信社