【8月17日 Xinhua News】中国江西省(Jiangxi)カン州市(Ganzhou)は、国内の重希土類(重レアアース)の主な産地となっている。記者はこのほど、地元のレアアース産業チェーンの川上企業や川下企業を訪ね、レアアースがどのようにつくられるのかを取材した。

 竜南県(Longnan)のカン州(竜南)希土有色金属は、粗鉱からレアアースを分離する作業を専門に手がけており、希土類元素を豊富に含む粗鉱はここで希土類酸化物として抽出される。同社は年間3000トン以上の粗鉱を処理しており、製品の希土類酸化物は16種類にわたる。

 同社の責任者は、一般的な製造過程は粗鉱の酸溶解や原液の抽出、沈殿精製、焼成などを経る必要があり、それによりさまざまな色合いの希土類酸化物が得られると説明。製品の多くが純度99.9999%以上だという。

 レアアースは再生不可能な資源であり、粗鉱から抽出される希土類酸化物以外にも、一部企業がリサイクルを行っている。廃棄電気機器の中の磁性材料やレアアース廃棄物から回収した希土類元素が貴重な資源の循環利用に充てられる。

 竜南県堉然科技有限公司 廖竜江(Liao Longjiang)総経理

 これは当社が全国各地から回収したレアアース廃棄物です。レアアース廃棄物とはこのようなもので、当社の川下企業から来たものです。金属から磁性材料に至るまで、3割強の廃棄材料は生産過程で発生しています。われわれは改めてこれらを入手し、工場で再度循環利用します。年間約7000トンのレアアース廃棄物を回収し、1500トンの有価(希土類)元素を川下企業に販売しています。

 二つルートで抽出された希土類酸化物は「工業のうま味調味料」と呼ばれ、特殊合金や高品質ガラス、磁性材料などの分野で広く用いられている。工業分野には欠かせない材料であり、われわれの日常生活でも多く目にすることができる。(c)Xinhua News/AFPBB News