移民向け性教育講座、文化と慣習に「壁」 独ベルリン
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【8月31日 AFP】ドイツ・ベルリンの教室で行われているワークショップで、受講生たちが動画を見ている。ナイトクラブで出会った2人の男女が、酒を飲み、笑い、ダンスをしてキスをする。
そこから動画内の雰囲気が一変し、教室内の雰囲気も変わった。男性が女性を自宅に連れて行き、ドアに鍵をかけ、帰ろうとする女性をレイプする。
残酷な動画が終わると、30代の男性参加者7人はコメントを求められた。いずれもシリア、イラク、アフガニスタンからドイツに渡って来た移民だ。中には子持ちの男性もいる。
「彼女は飲み過ぎだ。(だから)一緒に寝ている」と一人が言い、動画に出てくる男性は女性が酩酊(めいてい)状態にあることに付け込んで虐待したと話した。
ノルウェーの団体が主催したワークショップの進行役を務めるカローラ・ピエトルスキーナイアン(Carola Pietrusky-Niane)さんが説明した。「若者が大量に飲酒し、薬物を摂取することはベルリンではよくある」。そして、場合によってはこうした攻撃的な犯罪も起こり得ると続けた。
参加者らは、「お互いの安心のために」と銘打った4時間の講座を自ら進んで受講していた。同講座は現在、ベルリンでのみ開催されている。
同国南西部フライブルク(Freiburg)で昨年発生した集団性的暴行事件では、容疑者11人のうち10人が移民だった。これを受けドイツの移民統合担当官は、性教育講座をより多くの移民に受講してもらうよう要請している。
■頻発する性暴力事件
ドイツでは2015年の大みそかから翌年の元日にかけて、西部ケルン(Cologne)で多数の女性が移民による性暴力の被害に遭った。また、2016年にはアフガニスタン出身の移民によるレイプ殺人事件も発生した。極右勢力は、こうした事件に乗じてアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の寛容な移民政策を激しく批判してきた。
ドイツ政府の統計によると、外国人による2018年の性犯罪は6046件と、前年の5258件から15%増加した。件数増加は、2016年の法改正により、性犯罪者の訴追が容易になったことが大きい。