【8月12日 AFP】高級ファッションブランドの伊ヴェルサーチェ(Versace)、米コーチ(Coach)、仏ジバンシィ(Givenchy)の商品に、香港と台湾を独立した国と示唆する表記が見つかり、中国の国家主権を侮辱する行為に当たるとの批判が集まったことから、3社は相次いで謝罪した。

 ヴェルサーチェは11日、中国の特別行政区の香港とマカオをいずれも独立した国と示唆する表記が同社のTシャツにあったとして、批判を受けた。

 2か月にわたる民主派デモが続く香港は、中国本土でとりわけ慎重さを要するテーマとなっている。

 翌12日にはコーチが昨年販売したTシャツに、香港に加え、中国が自国領土とみなす台湾について、中国の一部ではないと記されていたことが分かり、インターネットで怒りの声が上がった。

 またジバンシィも同様に、台湾と香港を中国国内の都市とは別に表記した黒いTシャツが批判された。

 これを受けて、各社の広告塔となる中国人タレントらが契約解消を表明。3社はいずれも謝罪し、影響を最小限に抑えようと火消しに奔走した。

 しかし中国のネットユーザーの怒りは続いている。中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」のあるユーザーは12日、「中国はどの部分も欠けてはならない──ヴェルサーチェ、中国から出て行け!」と投稿した。

 中国の巨大市場で事業を展開する上では、政治的にデリケートな問題が多々あり、これまでにも外資系企業が同様の騒動に直面している。(c)AFP