【8月12日 AFP】パッティングに2分以上もの時間をかけたブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)のスロープレーが大きな批判を浴びたことを受け、米男子ゴルフツアー(PGA Tour)は11日、選手のプレースピードに関する方針を見直していることを発表した。

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 公式サイトに投稿された記事の中で、ツアーの運営責任者を務めるタイラー・デニス(Tyler Dennis)氏は、1打に無駄に長い時間をかけている選手がいた場合、仮にその組がスケジュール通りにラウンドできているとしても、当該の選手に対応できるよう方針を拡大することを考えていると明かした。

 デニス氏は「われわれは現在、『ショットリンク(ShotLink)』というテクノロジーを使ってプレースピードに関するデータを各選手に提供し、特定のショットに要したプレー時間のフィードバックもしている」「今はそのプレースピードの部分を検証し、もっと良い方法がないかを考えているところだ」と話した。

「ショットの予備動作に関する個々の選手の癖が、今日の世界で急速に争点となっていること、選手とファンがこの話題に非常に注目していることは、われわれも把握している」

 スロープレーの問題に改めてスポットライトが当たったきっかけは、11日まで開催されていたフェデックス・カップ(FedEx Cup 2019)プレーオフ初戦、ザ・ノーザントラスト(The Northern Trust 2019)で、デシャンボーがパットラインを読むのに2分以上をかけている動画がSNSに投稿され、批判に火がついたことだった。

 デシャンボーは約2.5メートルのパットを打つのに果てしなく長い時間をかけているようにみえるが、本人はキャディーから打つのをやめろと言われた上、隣のホールをラウンドしていた選手たちのティーショットが終わるのを待っていただけだと弁解し、動画は誤解を招くものだったと主張している。

 デニス氏も、プレースピードは複雑な問題で、コースに出ている選手の人数や、各組のティーオフの間隔、昼間の長さ、コース設定、天候などさまざまな要素が絡んでくると指摘し、「われわれにどうにかできるものもあれば、どうにもならないものもある」と話している。

 現在の方針では、選手は前後の組との間隔が極端にずれた場合にのみ、プレー時間を計測されることになっている。その場合、1人目の選手は1分以内、2人目以降は40秒以内に打つことになっていて、計測中だと知らされた選手は大抵スピードを上げるため、スロープレーに罰則が適用されたケースはほとんどない。(c)AFP