【8月12日 AFP】香港で11日、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案への反対運動をきっかけとするデモが各地で行われた。週末のデモは10週連続。香港警察は、当局の警告を無視して通りに出た多数の民主派デモ隊に催涙弾を発射した。

 この日は、デモ参加者たちが小規模のグループに分かれて市内に散らばり、一時的に道路を封鎖して警官隊と対決する「奇襲デモ」の2日目となった。

 デモ隊はビクトリア公園(Victoria Park)を出発し、深水ホ(Sham Shui Po)地区を歩くデモ行進の許可を求めたが、警察はこれを拒否。それでもデモ隊は集結し、じめじめした暑さを物ともせず、11日昼すぎにはビクトリア公園に数千人が集まった。

 他のデモ隊は、警察本部がある湾仔(Wan Chai)地区や、繁華街の銅鑼湾(Causeway Bay)の道路を封鎖し、「香港を取り戻そう、われわれの時代の革命だ」などと叫んだ。

「ラム」という名字のみ明かした20歳のデモ参加者は、「撤退する可能性はまったくない。香港人として、これが民主化を実現する上で最後の希望だ」と話した。

 葵芳(Kwai Fong)駅でもデモ隊と警察が衝突。駅構内で催涙弾を発射する機動隊に対し、デモ隊は消火器を使用したり、ホースで水を掛けたりして対抗した。

 当局によると、数時間にわたる衝突で少なくとも9人が負傷した。うち1人は重傷だという。当局は、警察官1人がデモ隊の投げた火炎瓶でやけどを負ったと発表したが、この警察官が9人の負傷者に含まれているのかは不明。

 中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案に反対して2か月以上前に始まった抗議行動は、香港の民主的な自由を求める、より広範囲な運動に発展している。(c)AFP/Catherine LAI, Yan ZHAO