【8月11日 AFP】2020年東京五輪まで約1年となる中、水泳・オープンウオーターのテスト大会が11日、東京・お台場で開催され、出場選手からは水温と水質に対する懸念の声が上がった。関係者は、本大会直前まで状況を注視していくと話している。

 この日の大会は午前7時にスタートしたが、うだるような暑さの東京は、その時点ですでに気温が30度を超えていた。国際水泳連盟(FINA)の規則では、水温が31度を超えた場合、レースが実施されない可能性があるということになっている。

 2012年ロンドン五輪のオープンウオーター・男子10キロメートルなど、五輪の水泳競技で3個のメダルを獲得しているウサマ・メルーリ(Oussama Mellouli、チュニジア)は、5キロメートルのレースを終え「経験した中で一番水温が高いレースだった。2キロまでは調子が良かったが、そこからものすごく暑かった」とコメントした。

 選手の健康が第一だと話すFINAのコーネル・マルクレスク(Cornel Marculescu)事務総長は、外部団体を設立して東京五輪組織委員会と連携を取りながら、水質と水温をぎりぎりまでモニタリングし、その結果によっては開始時間が変わる可能性があると話した。

 事務総長は記者団に対して、「情報に基づいてスタート時間を決める。それが朝5時になるのか、5時半なのか、6時か、それとも6時半かは水温次第だ」とコメントした。

 東京の酷暑は組織委にとって一番の頭痛の種となっていて、すでにマラソンなどいくつかの種目では、影響を緩和するために開始時間をずらすことが決まっている。

 水質面については、FINAの医療委員会のスタッフが言及。今回のテストの測定値は48時間経たないと判明しないが、「先月の測定値、日々の測定値が手元にあるが、それを見る限り、水質は良好だという明確な傾向が示唆されている」とコメントし、これまでの検査結果は前向きなものだったことを明かしている。

 その一方で、出場選手の貴田裕美(Yumi Kida)からは、水が「少し臭うし、あまり澄んでもいないので、水質は改善してほしいとすごく思っている」という話が出た。(c)AFP/Richard CARTER