■「小さな黒いアドレス帳」

 米紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)によると、エプスタイン被告の「小さな黒いアドレス帳」には、仏パリをはじめとする自宅を構える地域に住む100人以上の少女の名前が記されていた。

 多数の報告によると、家政婦と秘書、スカウト部隊が、密会の予約や交通手段――プライベートジェットを使うこともあった――支払いを細心の注意を払って追跡していた。支払いは大抵の場合、1訪問当たり200~300ドル(約2万1000~3万2000円)だった。

 マッサージのセッションは全裸で行われ、ほぼ意図的な性的接触も含まれていた。

 多数の女性がエプスタイン被告による性的接触を拒否しようとしたが、駄目だったと語っている。

 アラオスさんはマッサージのために訪問した時、エプスタイン被告にレイプされたと主張。その時のことを、「怖かった。彼にやめてと言った」「(なのに)彼はやめてくれなかった」と回想している。

 被害を受けたと主張しているバージニア・ロバーツ(Virginia Roberts)さんも、「エプスタイン被告から逃げたら、殺されたり拉致されたりする恐れがあった。彼にはそうしたことができると常々思っていた」「すごく怖かった」と証言している。

 ロバーツさんをはじめとする被害者は、エプスタイン被告が友人や知人に10代の少女たちを提供していたと明かしている。ロバーツさんは、「エプスタイン被告は特別に話してやると言って、友人や知人に自分への『借り』をつくらせ、『完全に支配下』に置くためにそうしていると語っていた」と語った。

 トランプ氏とクリントン元大統領はいずれも、少女たちと不適切な接触は一切持っていないと主張。クリントン氏はこうした「恐ろしい犯罪」について何も知らなかったと話している。

 エプスタイン被告は2008年、売春の勧誘をしたとしてフロリダ州の裁判所で有罪を認め、約1年間刑に服した。死亡時は、性的目的の人身取引をめぐる連邦裁判所での公判を待っていた。(c)AFP/Thomas URBAIN