【8月11日 AFP】インド・プネ(Pune)に類いまれな「歌姫」がいる。大きな歯、光沢のある白い毛皮に四本足──エミリー(Emily)という名のこの雌ロバが「歌う」姿を撮影したビデオは昨年、インターネット上で拡散し、大きな話題を呼んだ。

 エミリーを受け入れた非営利団体の動物愛護団体「レスキュー(RESQ)」の代表、ジェシカ・ロバーツ(Jessica Roberts)さんは、AFPの取材に「エミリーが歌い始めたのは、ごちそうをねだりたいからだと思う。餌のバケツを見た途端に歌い始める」と語った。

 インドの多くの産業ではロバとラバが使われることが珍しくなく、過酷な条件下で荷運びをさせられている。

 エミリーの半生も過酷なものだった。2年前、路上に捨てられているところを発見されたときには、子宮脱を起こし、傷の感染症を患っていた。

 ロバーツさんによると、スタッフにシェルターに連れて来られたときのエミリーは、「悲しげでふさぎ込み、敵意をむき出しにしていた」という。「でも、時間がたつにつれて私たちを信頼し始め、今では欲張りになって、餌をねだるようにまでになった」とロバーツさんは笑って話した。(c)AFP/Archana Thiyagarajan