【8月10日 AFP】ラグビー元イングランド代表で、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のバッファロー・ビルズ(Buffalo Bills)と契約して新たなキャリアを追い求めているRBクリスチャン・ウェイド(Christian Wade)は、実戦のファーストプレーでタッチダウンに成功するとは夢にも思っていなかったが、8日に行われたインディアナポリス・コルツ(Indianapolis Colts)とのプレシーズンゲームでそれを実現してみせた。

 イングランド・プレミアシップのロンドン・ワスプス(London Wasps)などで8シーズンプレーしたウェイドは、この日のコルツ戦で初めてボールを受けると、そのまま誰にも触れられずにエンドゾーンまで65ヤードを駆け抜けた。試合もビルズが24-16でコルツに勝利した。

 ウェイドは「タッチダウンを決められるなんて最高の気分だ」「信じられない瞬間だった」「このまま続けていくモチベーションになるし、正しい方向に踏み出しているという前向きなエネルギーになる。たくさん練習をこなしてきた」とコメントした。

 第4クオーターにボールを受けたウェイドは、ブロッカーをかわして右へ切れ込むと一気に加速して、相手選手全員を置き去りにしてエンドゾーンに到達した。

 このプレーを「クレイジーだった」と振り返ったウェイドは、ラグビーのトライのようにダイブしたりボールをグラウンディングさせたりする代わりに、そのままゴールラインを通過すると、ビルズの選手が喜びながら駆け寄ってくる中でエンドゾーン後方まで進んでボールを地面に落とした。

「みんな大騒ぎしていた。ファーストプレーでこんなことが起きるなんて、誰もが驚いていたと思う」「まるで試合が終了したかのような騒ぎだったし、試合にも勝てた」

 このようなシナリオを期待していたか問われると、ウェイドは「いいや、まさか」と回答し、「とにかく、何が起きるか確かめる必要があると話していたんだ。正しい方向に準備できていると確信している。自分が懸命に練習しているのをチームは見ている」と語った。

 ワスプスに所属していた2016年のウスター・ウォリアーズ(Worcester Warriors)戦で、プレミアシップ記録に並ぶ6トライを決めたウェイドは、昨年10月にチームを放出されてNFLでの可能性を追求すべく、才能ある海外選手の発掘と支援を行い、NFL選手に育てることを目的としたインターナショナル・プレイヤー・パスウェイ・プログラム(International Player Pathway Program)に加入した。

 層の厚いビルズのRBの中で、ウェイドはルショーン・マッコイ(LeSean McCoy)やフランク・ゴア(Frank Gore)らベテラン選手の背中を追いかけながら、レギュラーシーズンに向けた最終登録メンバーの53人にふさわしいスキルがあることを示した。

 ビルズのショーン・マクダーモット(Sean McDermott)ヘッドコーチ(HC)は、「クリスチャン・ウェイドにとって、素晴らしい瞬間だ」「チームが喜びを爆発させたことは、彼に対する期待を示していた。あれは特別な瞬間だった」とコメントした。(c)AFP