【8月10日 AFP】フランス南部シーニュ(Signes)でがれきの不法投棄を阻止しようとした町長がはねられ死亡する事件が起き、町長の葬儀が執り行われた9日、住民らがその死を悼んだ。

 シーニュ町長を36年務めてきたジャンマチュー・ミシェル(Jean-Mathieu Michel)氏(76)は5日夜、同行者3人と一緒に町のごみ収集場所を見回っていたところ、道端にがれきを不法投棄しようとしていた建設作業員の男2人が乗る車に出くわした。

 ミシェル氏は車を停止させ、がれきを持ち帰るよう命じた。男2人は従ったが、罰金を科すので警察の到着を待つようにと告げられると逃走を試み、車をバックさせてミシェル氏をはねた。

 当局は本件を事故として扱っている。車を運転していた建設会社に勤める石工職人(23)に対しては、過失致死の疑いで予審開始を決定した。弁護人が報道陣に語ったところによると、容疑者は「打ちのめされている」という。同乗していた見習い職人(20)は取り調べを受けた後、訴追されずに釈放された。

 シーニュの町民とフランス各地の自治体首長らは、ミシェル氏を「献身的な公僕」「市民の味方」とたたえ、追悼した。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は9日、シーニュの町に「たゆまぬ献身」を行ったとして、ミシェル氏にフランスの最高勲章、レジオン・ドヌール(Legion of Honour)を追贈した。

 マルセイユ(Marseille)の東50キロほどに位置する人口2800人のシーニュで行われた葬儀には、ジャクリーヌ・グロー(Jacqueline Gourault)国土相やジェラール・ラルシェ(Gerard Larcher)上院議長ら数百人が参列した。

 フランスでは、マクロン氏の中道派政党「共和国前進(REM)」所属議員の事務所を狙った攻撃が相次いでおり、選挙で選ばれた代表者を標的にした暴力に対する懸念が高まっている。攻撃を行っているのは主として、マクロン氏が支持するカナダとの自由貿易協定(FTA)に対する反対派だ。多くの市町村長も、市民の態度がますます攻撃的になっていると訴えている。(c)AFP/Francois BECKER with Clare BYRNE in Paris