【8月15日 東方新報】女子バレーボール中国代表チームは4日、浙江省(Zhejiang)寧波(Ningbo)北侖区(Bailun)で行われた試合でトルコ代表チームを破り、東京五輪出場切符を勝ち取った。その試合会場には二人の「郎平」がいた。一人はいうまでもなく、中国代表を勝利に導いた郎平(Lang Ping)監督本人だが、その隣にもう一人、映画『中国女排(邦題:中国女子バレー)』で郎平役を演じる鞏俐(コン・リー、Gong Li)さんだ。

 コン・リーさんは三日間で行われた3試合、郎平監督の隣にずっとついて、その立ち居振る舞い、表情を事細かに観察していた。

 国際的に知られた実力派女優のコン・リーさんは、「体験」を通じて役に入り込むのが得意だという。過去の作品『秋菊打官司(邦題:秋菊の物語)』では、農村で5か月以上生活し、最近の作品の『帰来(邦題:妻への家路)』では、記憶を失った重病人を演じるために、病院や養老院で体験入院した。今回も、郎平監督になり切るために現場に入り込んでいる。記者会見の時は、「寧波北侖」のスタッフ用Tシャツに運動帽姿で記者席に座っていたため、記者たちも気づかなかったほど。郎平監督すら記者会見場から出るときにやっと気づいて、あなただったの、と驚いた声を上げていた。

 郎平監督といえば中国女子バレー発展の歴史には欠かせない重要人物だ。1980年代は「鉄のハンマー」と呼ばれたスパイクでチームにロサンゼルス五輪の金メダルなどをもたらした。1995年に代表監督に就任すると、低迷していた中国女子バレーを立て直し、アトランタ五輪などで銀メダルを獲得。2008年の北京五輪では、米国代表チームの指揮官として銀メダルを勝ち取った。そして2016年のリオデジャネイロ五輪で中国を金メダルに導いており、まさにバレー界のレジェンドだ。

 陳可辛(Chan Ho-sun)監督による『中国女排』は、2016年に行われたリオ五輪女子バレー決勝から振り返る女子バレー30年の奇跡を描いたスポーツ映画で、2020年1月に封切り予定。(c)東方新報/AFPBB News