【8月12日 CNS】南都ビッグデータ研究院は今年4月から7月にかけ、「00後(2000年代生まれ)の若者は毎日、スマートフォンで何を見ているのか?」をテーマにした調査を行った。全国各地でアンケートをすると同時に、河南省(Henan)、山東省(Shandong)、福建省(Fujian)、広東省(Guangdong)、北京市(Beijing)の5省市で実地調査や事例収集を行い、その結果を「未成年者のスマホ利用状況調査報告書」にまとめて発表した。

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 報告書によると、調査を受けた学生のうち、21.25%が「スマホを使用したとき、ポルノや暴力的な内容を目にしたことがある」という。いくつのオンライン小説サイトにはポルノや暴力的な内容があふれているが、未成年者のアクセス制限モードが入ってないため、「虐待・殺人」や「近親相姦(そうかん)」などの小説がワンクリックで読めるようになっている。そのほか、一部のゲーム関連アプリも不健全な内容がたくさん含まれている。

 オンライン小説にはまっているという中学2年生の王偉君(仮名)は調査に対し、「普段から格闘シーンや流血シーンがある刺激的な小説を読むのが好き」と語った。実際に今読んでいる小説は「暴力的描写はそんなに多くない」と言うが、彼が見つけたオンライン小説サイトでは『死亡遊戯グループ』といった類いの小説があり、人を殺す方法を教えている。

 自分の性格を「内向的で人見知り」という王君だが、オンライン小説の暴力的内容に影響を受けて、クラスの活動やゲームなどで同級生らともめた時、つい、こぶしを振り上げそうになったという。

 調査はまた、オンライン読書は通常と違う「読ませ方」をさせようとしている実態も指摘。例えば、「小説を読みながらお金を稼ぐ」という手法で、未成年者に読書を継続させようとしている。まだ自分で稼ぐ方法がない未成年者にとって、かなりの魅力がある。主だったサイトは依存症にならないスマホ利用法を読者に勧めているが、問題のあるオンライン小説サイトはこうした規制がなく、未成年者への身体や精神を傷つけかねない。

 さらに、ゲーム関連アプリには多くの危険性が隠されている。調査では、12.47%の学生は「ネット上でいじめや侮辱を受けたことがある」と答えた。中でも男子の方がいじめられる割合が高く、年齢が高くなるほど「いじめを受けた」と答える未成年者が増えている。

 一連の問題に対して報告書は、未成年者がスマホを健康的に使用するには保護者の指導がカギであり、学校教育もそれを支える必要性があると結論づけている。一方で、4割以上の親は「子どもにスマホを正しく使う方法をどうやって教えればいいか、よく分からない」と答えた。

 中国社会科学院の童小軍(Tong Xiaojun)准教授は「主に保護者に正しく指導する責任があるが、より効果的に指導、教育するには、やはり学校がネットリテラシー教育に取り組むことだ」と述べた。ネット上で得た情報を正しく理解、選択して活用する能力を指すネットリテラシーは、社会で学ぶべき行為の一つだ。学校は単にスマホの持ち込みを禁止するのではなく、健全にネットを扱うための専門的授業を設け、通常の教育の中に取り入れるべきだと考えている。

 報告書はさらに、技術面の向上が、ネット上で未成年者を保護する基盤になり得るとしている。例えば、若者に人気のショート動画アプリ「抖音(TikTok)」に未成年者が本名を登録せず、保護者の規制モードをオフにした状態で、酒瓶を持ってライブ放送を始めてみると、わずか1分後に「未成年者が映像に出ている」とアプリが識別し、ライブ放送を中断した。

 ネット大手「騰訊(テンセント、Tencent)」は、大人として登録したユーザーでもゲームをする行動パターンで未成年者と疑われる場合、自動的に年齢確認を求めるシステムが起動するようにしている。

 ただ、こうした技術で未成年者を保護できるとしても、あくまで事後的かつ最低限の対策であることを忘れてはいけない。未成年者がネット上で不利益をこうむる事態を未然に防ぐには、やはり保護者が常に子どもに目を配り、話し合いの中で適切なネットの利用法を決めることが大切だ。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News