【8月9日 AFP】イングランドサッカーの移籍市場は8日、最終日を迎え、プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)はジオヴァニ・ロ・チェルソ(Giovani Lo Celso)とライアン・セセニョン(Ryan Sessegnon)を獲得。アーセナル(Arsenal)もキーラン・ティアニー(Kieran Tierney)とダビド・ルイス(David Luiz)を補強することで、最終ラインを強化した。

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 トッテナムは昨季、6万2000人収容の新スタジアムに本拠地を移し、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)でも決勝に進出。クラブはピッチ内外でのそうした進歩を足場にしたいと考えており、ダニエル・レビー(Daniel Levy)会長はマウリシオ・ポチェッティーノ(Mauricio Pochettino)監督からプレッシャーをかけられていた。

 18か月にわたり新加入選手がいなかったトッテナムは、クラブ史上最高額でMFタンギ・エンドンベレ(Tanguy Ndombele)を獲得していたが、ロ・チェルソとセセニョンがチームに加わったことで、ようやく選手層に厚みがもたらされた。

 アルゼンチン代表MFのロ・チェルソはレアル・ベティス(Real Betis)から1シーズンのローン移籍で加わり、この契約には来夏完全移籍でチームに加わることができるオプションが付いている。

 また、U-21イングランド代表のセセニョンは、フラム(Fulham)から2500万ポンド(約32億円)で加入。契約期間は6年で、パフォーマンスに応じたボーナス次第で移籍金は3000万ポンド(約38億円)にまで上がる可能性がある。

 一方でトッテナムは、ユベントス(Juventus)のFWパウロ・ディバラ(Paulo Dybala)の補強には失敗し、前線でハリー・ケイン(Harry Kane)をサポートする選手は手薄となっている。

■アーセナルは守備を強化

 昨シーズンのリーグ戦で51失点を喫し、チャンピオンズリーグの出場権を3シーズン連続で逃したアーセナルは、最終ラインの補強が急務だった。

 アーセナルはティアニーに長く関心を寄せていたが、移籍金2500万ポンドの支払いに関してセルティック(Celtic)と合意に至ったため、ついに移籍が実現した。また、800万ポンド(約10億円)でルイスを獲得したことで、待ち望んでいたバックアップのCBを確保した。

 アーセナルはアレックス・イウォビ(Alex Iwobi)をエバートン(Everton)に3500万ポンド(約45億円)で売却したため、最終日の補強に要した移籍金を回収している。

 エバートンはこの夏、アンドレ・ゴメス(Andre Gomes)やファビアン・デルフ(Fabian Delph)、ジャン・フィリップ・グバミン(Jean-Philippe Gbamin)、ヨナス・レッスル(Jonas Lossl)、モイゼ・ケアン(Moise Kean)、ジブリル・シディベ(Djibril Sidibe)を獲得しており、イウォビは7人目の補強となる。

 マンチェスター・シティ(Manchester City)とリバプール(Liverpool FC)は今季のリーグ戦でも再びタイトル争いをするとみられているが、最終日に慌ただしい動きをみせなかった。

 この夏、ロドリゴ(Rodrigo Hernandez Cascante)やアンヘリーノ(Angelino)、ジョアン・カンセロ(Joao Cancelo)を補強していたシティはこの日、GKの控えとしてダービー・カウンティ(Derby County)からローン移籍でベテランのスコット・カーソン(Scott Carson)を獲得。

 リバプールにこの夏加わったのは10代のセップ・ファン・デン・ベルグ(Sepp van den Berg)とハーヴェイ・エリオット(Harvey Elliott)、控えGKのアドリアン(Adrian)の3人だけで、補強は控えめなものだった。

 マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属していたロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)は、待望のインテル(Inter Milan)行きが決まり、報道によれば、両チームは約8000万ユーロ(約95億円)に上るとみられる移籍金で合意したという。

 トップ6以外では、ワトフォード(Watford FC)がレンヌ(Stade Rennes FC)に所属していたセネガル代表のイスマイラ・サール(Ismaila Sarr)をクラブ記録となる3500万ポンドで獲得。

 ウェストハム(West Ham)に所属していた元イングランド代表FWのアンディ・キャロル(Andy Carroll)は、フリートランスファーでニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)への復帰が決まり、DFエミール・クラフト(Emil Krafth)も同クラブに移ることになった。

 また、8000万ポンド(約103億円)でハリー・マグワイア(Harry Maguire)をユナイテッドに売却したレスター・シティ(Leicester City)は、サンプドリア(Sampdoria)からデニス・プラエト(Dennis Praet)を2000万ユーロ(約24億円)で補強し、バーンリーFC(Burnley FC)はチェルシー(Chelsea)からダニー・ドリンクウォーター(Danny Drinkwater)を来年1月までのローン移籍で獲得した。(c)AFP/Kieran CANNING