【8月9日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が8日、ATP選手協議会(ATP Player Council)のメンバーに選出された。両選手は、同協議会会長で現世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)との見解の相違に直面するものとみられている。

 世界ランク2位のナダルと同3位で8日に38歳の誕生日を迎えたフェデラーは、今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)を前にロビン・ハーセ(Robin Haase、オランダ)、ジェイミー・マレー(Jamie Murray、英国)、セルジ・スタホフスキ(Sergiy Stakhovsky、ウクライナ)が辞任したことを受けて、同協議会のメンバーとなった。

 ジョコビッチは、テニス界の重鎮であるクリス・カーモード(Chris Kermode)氏の男子プロテニス協会(ATP)会長の退任決議に際してメンバーらと対立。さらに不祥事を起こしたジャスティン・ギメルストブ(Justin Gimelstob、米国)への対応で溝をさらに深めた。

 選手協議会のメンバーだった元選手のギメルストブは、2018年のハロウィーンで妻子の目の前で男性に暴行。今年初めに米ロサンゼルスで行われた暴行罪の裁判では容疑に対し不抗争を申し立てた。

 ギメルストブが同協議会に復帰する可能性を排除しなかったとして批判されているジョコビッチは、ウィンブルドンで「ジャスティンとは友人関係にある」とギメルストブを擁護した。

 ATPの広報によると、ナダルとフェデラーの役務は直ちに始まり、任期は来年のウィンブルドンまでだという。ナダルとフェデラーの加入を歓迎したジェイミー・マレーは、「ATP選手協議会入りに踏み切ってくれたラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーに心から感謝する」とコメントした。

「この競技は今は成功しているものの混乱期にある。私の協議会での最大の功績は、結果的に今回のこと(ナダルとフェデラーの加入)が起きる契機となった集団辞任したメンバーの一員だったことだ」 (c)AFP