【8月12日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所は6日、中国、エストニア、米国の古生物学者の研究チームが約4億年前に生息していた古生物のキチノゾアの「正体」が判明したと明らかにした。

 キチノゾアは4億8500万年前~3億5900万年前に海に生息していた微小生物で、体長は通常50マイクロメートルから2ミリメートル。非常に小さく、早く絶滅に至ったものの、古生物研究分野では「人気」の種だ。

 1931年に正式に発見されて以来、キチノゾアとは何かずっと謎だった。すでに絶滅した原生生物の一種との考えもあったが、ここ数年は、ある後生動物の卵もしくは卵のうだと説く学者が増えていた。

 今回、研究チームはこの謎を解明するため、4億年前のキチノゾアの化石約370種を系統的に整理した。これら化石は現在知られているすべてのキチノゾア属をカバーしている。形態学的な分析により、同一種のキチノゾアの化石であっても形態の大きさには数倍の差があり、同種の動物の卵には類似性があるという特徴と大きく異なることが明らかになった。また、現代の水生無脊椎動物6門10綱45種の卵との対比研究では、キチノゾアの殻の大きさの相違が、現代の水生無脊椎動物の卵の大きさの相違より明らかに大きいことが分かった。これにより、キチノゾアがある種の動物の卵なのではなく、独立した原生生物である可能性が高いことが判明した。

 今回の研究の責任者、中国科学院南京地質古生物研究所の梁艶(Liang Yan)副研究員は、キチノゾアが独立した生物だと明確にすることは、キチノゾアが独自の発展と進化の過程を有していることを意味すると説明。特にこれら象徴的意義を持つ種の発展について解明すると、人類が地球を知り、生命の起源や進化などを理解することに対してとても大きな意義があると述べた。

 研究成果はこのほど、権威ある科学誌「英国王立協会紀要B」で発表された。(c)Xinhua News/AFPBB News