【8月8日 AFP】16歳で人身売買の被害に遭い、自分を性的に搾取した男を殺害して終身刑の判決を受け服役していた米国人女性が7日、仮釈放された。2004年に起きたこの事件をめぐっては、歌手のリアーナ(Rihanna)さんやタレントのキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんら複数のセレブが女性の釈放を呼び掛けていた。

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 テネシー州矯正局によると、シントイア・ブラウン(Cyntoia Brown)さん(31)は7日早朝に仮釈放された。同州のビル・ハスラム(Bill Haslam)前知事が、退任前の今年1月に「厳しすぎる」罰だったとして減刑していた。

 報道などによれば仮釈放期間は10年で、その間は当局の承認した釈放計画に従い、就業か就学、定期的なカウンセリング、少なくとも50時間の社会奉仕活動が義務付けられる。

 ブラウンさんは2004年、ナッシュビル(Nashville)で不動産業者を殺害したとされる。殺害されたジョニー・アレン(Johnny Allen)氏は、ブラウンさんを買春した後、売春あっせん業者の下から連れ去り、性行為目的で自宅に連れ込んだ。

 陸軍の狙撃手だった経歴を持つアレン氏は複数の銃器を見せびらかし、ブラウンさんの局部を無理やり「つかんだ」という。命の危険を感じたブラウンさんは、アレンさんを撃った。

 ブラウンさんは成人として裁判にかけられ、第1級殺人罪と加重強盗罪で有罪判決を受け、少なくとも51年間は仮釈放の認められない終身刑を言い渡された。

 この事件は2011年にドキュメンタリー番組で紹介され、複数のセレブの注目を集めた。ソーシャルメディア上でハッシュタグ「#FreeCyntoiaBrown」(シントイア・ブラウンさんを釈放せよ)を共有するキャンペーンが広がり、ハスラム前知事に釈放を嘆願するオンライン署名運動には32万5000人以上が賛同していた。(c)AFP