【8月8日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元QBで、人種差別に対する膝つき抗議で国中を巻き込む論争を引き起こしたコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が7日、各チームのオーナーや指揮官に対して、リーグに復帰するチャンスを待っているとアピールした。

 サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)でプレーしていたキャパニックは、自身のツイッター(Twitter)に、2017年3月にチームとの契約をオプトアウトしてフリーエージェント(FA)となってから889日が経過したことを示す数字カウンターとともに、ジムでウエートリフティングなどをして体を鍛えている動画を投稿した。

「週に5日、午前5時から。これを3年間続け、今も準備できている」とつづったキャパニックが今回の動きを見せたのは、2019年シーズンの開幕を来月に控え、全チームがQBや各ポジションの選手をテストするプレシーズンキャンプに臨んでいる中でのことだった。

 キャパニックは2016年、警察の暴力や人種差別を訴えて国歌演奏の際に膝をつく抗議行動を開始。キャパニックが火をつけた抗議活動が拡大すると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2017年9月、膝をついた選手を「くそ野郎」呼ばわりした上に、国家と軍を侮辱するものだとして解雇されるべきだと批判した。

 そしてキャパニックは同年10月、各チームのオーナーや関係者が自身と契約しないように共謀しているとして、フォーティナイナーズ時代のチームメートであるエリック・リード(Eric Reid)とともにNFLを提訴した。

 この裁判は半年前に和解が成立しており、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)では、リードとキャパニックが1000万ドル(約10億6000万円)未満の和解金を手にしたと報じられた。(c)AFP