【8月8日 AFP】中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への抗議をきっかけにデモが続き、警察との暴力的な衝突が増えている香港で7日夜、数百人がウオーターフロントに集まり、これまでの抗議行動とは趣の全く異なる「レーザーショー」によるデモを行った。

 政治危機が深刻化する中、香港のデモでは機動隊への嫌がらせと監視カメラによる顔認識の妨害を目的に、デモ参加者らが機動隊員や監視カメラにレーザーポインターの光を当てる行為が横行。警察側も、デモ隊を混乱させたり顔を確認したりするために強い光を浴びせる行為を繰り返し、この光によって取材を妨害されたと非難する記者たちも出ている。

 6日には、レーザーポインター10個を持っていた学生1人が「攻撃用武器」の所持容疑で逮捕され、警察署前での深夜の抗議デモが催涙ガスで強制排除される事態が起きた。

 これを受けて、香港市民は7日夜、ウオーターフロントにある宇宙科学館「香港太空館(Hong Kong Space Museum)」で「星を眺めよう」と人々に呼び掛け、「レーザーショー」を実施。デモに先立って早めに閉館した同館のドームに、次々とレーザーポインターの光が投射された。

 ドームや周辺の木々に緑色や紫色、赤色の光が目まぐるしく踊り、香港政府の出資で毎晩実施されているサーチライトやレーザービームによる光のショーと相まって夜空を彩ると、参加者からは歓声が上がり、「香港を取り戻せ、われわれの時代の革命だ」とのシュプレヒコールが飛び交った。(c)AFP