【8月8日 AFP】パキスタンは7日、同じ核保有国で敵対するインドとの外交関係を格下げした。インドが印パ両国の係争地であるカシミール(Kashmir)地方の支配を強化する動きを受けた措置で、インドの駐パキスタン大使を追放し二国間貿易を停止する方針も明らかにした。カシミール問題をめぐり、双方の対立が深まっている。

 インドは5日、過去70年にわたってカシミール地方の印支配地域に付与されていた特別自治権を大統領令によって剥奪。この数時間前には同地域に対し、厳格な外出制限令を出したばかりだった。

 パキスタンはイスラム教徒が多数を占めるカシミール地方の領有権を主張しており、専門家の間ではインドの動きによりパキスタンとの衝突が再燃し反乱が起きるとの見方が出ている。カシミールをめぐる紛争では、すでに数万人の命が奪われている。

 インドはこれまで今回の動きが内政問題であると主張。一方パキスタンは国際社会に介入を呼び掛け、この問題を国連安全保障理事会(UN Security Council)に持ち込むと明言している。

 パキスタンのシャー・メへムード・クレシ(Shah Mehmood Qureshi)外相はテレビで、自国の「駐インド大使を召喚」し、インドの駐パキスタン大使を送り返すと表明した。(c)AFP