【8月7日 AFP】フランスの文豪マルセル・プルースト(Marcel Proust)が20代で執筆し、昨年になって発見された短編9作が、10月9日に出版される。出版元が5日、発表した。

 この9作品は当初、詩や短編をまとめたプルーストの初めての作品集「楽しみと日々(Pleasures and Days)」に含まれていたが、後にプルーストが自ら削除したとされる。

 これらの作品を見いだしたのは、高名なプルースト専門家で、昨年亡くなった仏出版社ファロワ(Fallois)の創業者、ベルナール・ドファロワ(Bernard de Fallois)氏。

 1922年に51歳で死去したプルーストは、大作「失われた時を求めて(In Search of Lost Time)」の第1編「スワン家のほうへ(Swann's Way)」をはじめ、後世の作家らに極めて大きな影響を与えてきた。

 新たに発見された作品からは、若き日のプルーストが、肉体的恋愛や同性愛といった当時タブー視されていたテーマに切り込みながら、新たな叙述技法を試している様子がうかがえる。

 作品がお蔵入りしていたことについて出版社は、「大胆なテーマだっただけに、伝統的な道徳観に支配された社会環境の中では反感を買うだろうと考えたのではないか」としている。(c)AFP