【11月3日 CNS】19年上半期、中国の一部の地域で出生人口が下降している。データを見ると、18年の中国全土の出生人口は1523万人で、前年同期比で200万人減となり、南開大学(Nankai University)経済学院人口発展研究所の李建民(Li Jianmin)教授は「政策調整による効果は、過去3年間で終わっており、今年は見られない。もし生育率が回復できなければ、出生人口は続けて下がる」との見解を示した。

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 中国の全国人民代表大会は2015年12月、票決を行い「人口と計画出産法」の修正案を承認し、「全面二人っ子政策」は2016年1月1日から正式に施行された。政策は効果的だった。国家統計局のデータによると、16年と17年の中国の出生人口はそれぞれ1786万人と1723万人で、「全面二人っ子政策」実施前の年間平均出生人数に比べ、それぞれ142万人増と79万人増となり、出生率はそれぞれ12.95‰と12.43‰だった。

 そのほか、16年の第2子出生数は大幅に上昇をみせ、その前の5年間に比べて顕著に増加した。17年の第2子出生数は883万人に達し、16年に比べ162万人増、第2子の全出生数に占める比重は51.2%に上り、16年に比べ11ポイント上昇した。

■一連の奨励策で生育の願望を引き上げ

 実際、生育を奨励するため、全国各地で妊娠から出産、育児に至る各段階で一連の奨励策を実行した。医療保険によるサポート強化、出産費用免除、出産休暇と配偶者出産休暇(看護休暇)の延長のほか、医療リソース強化、柔軟な勤務制の実施などにより出産後の仕事再開を支援した。

 16年に研究機構が行った「3歳以下の乳幼児に対する託児サービス需要調査」の中で、80%近い乳幼児は祖父母が面倒を見ており、家庭の33.8%に託児サービスの需要があり、祖父母がいない家庭の43.1%が託児サービスを望んでいることが明らかになった。子を一人持つ母親の60.7%は「子どもの面倒を見る人がいない」ことを理由として第2子を望まないとし、28.1%は「仕事や事業の発展に影響を与える」ことを理由に第2子を望んでいない。

 専門家の分析によると「託児サービスの発展は、顕著な社会的効果と経済的効果をもたらし、第2子の比率を8%~10%引き上げるだろう」としている。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News