【8月7日 AFP】銃乱射事件が起きた米テキサス州エルパソ(El Paso)で6日、ヒスパニック系が多数を占める住民の間からドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の訪問に反対する声が上がった。トランプ氏は、同市とオハイオ州で相次いだ銃乱射事件により計31人が死亡したことを受け、米国を結束させようと努めているが、同氏によるこれまでの反移民的な発言は怒りの声を巻き起こしている。

 米国では先週末、メキシコと国境を接するテキサス州エルパソでの銃乱射事件で22人が死亡。その十数時間後にはオハイオ州デートン(Dayton)での乱射事件で9人が死亡した。

 トランプ氏は7日にまずエルパソへ向かい、その後そこから北東に約2400キロ離れたデートンを訪問する予定になっている。

 トランプ氏は5日、国民に向けた演説で偏見を非難するよう呼び掛けた。だが地域社会の指導者らは、トランプ氏が長らく白人至上主義を非難することを拒否し、ツイッター(Twitter)には挑発的な投稿を行い人種差別として広く批判を浴びてきた過去があるとし、同氏の言葉はむなしく響くと述べている。

 エルパソで育ち、2020年米大統領選民主党予備選候補者のベト・オルーク(Beto O'Rourke)前下院議員は、ツイッターに「この大統領は土曜日(3日)の悲劇を起こした憎悪を助長した人物で、エルパソに来るべきではない」と投稿。「われわれにはこれ以上の分断は不要だ。われわれには癒やしが必要だ。ここに彼の居場所はない」と明言した。

 エルパソのディー・マーゴ(Dee Margo)市長はトランプ氏訪問予定の発表に際し、同氏を歓迎するのは自身の務めからだと強調した。(c)AFP/Gilles Clarenne with Daniel Woolls in Washington