【8月8日 Xinhua News】中国の科学者が汎用人工知能(AGI)用の新たな脳型コンピューターチップ「天機芯(Tianjic)」の開発に成功し、しかも自動運転自転車の実験にも成功したことで、米科学技術界から高く注目されている。

 国際的科学誌「ネイチャー(Nature)」は1日、中国の清華大学(Tsinghua University)類脳計算研究中心(脳型コンピューター研究センター)の施路平(Shi Luping)教授率いる研究チームの論文を巻頭記事に掲載した。

 「天機芯」は新型人工知能(AI)チップで、AGI研究におけるコンピューター科学と神経科学に基づく二つの主要な方向性を一つのプラットフォームに統合し、機械学習と既存の脳型計算の二つのアルゴリズムに対応できるようになっている。

 研究スタッフは自動運転自転車を用い同チップの能力を実証した。「天機芯」を搭載した自転車は、リアルタイムでの視覚的探査や目標追跡、自動障害物通過・回避、自律的バランス制御、音声制御、自律的意思決定などの機能を実現した。

 米技術誌「MITテクノロジーレビュー(MIT Technology Review)」はこれを受け、「天機芯」の自動運転自転車実験の成功が、チップ分野で日増しに高まる中国の専門能力やAIアルゴリズムの最適化を目的とする全く新しいチップの設計方法の価値を明らかにしたとする記事を発表した。

 米紙「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」は今回の実験を、AIチップを搭載したことで「最も自律思考に近い自動運転自転車」になったかもしれないと指摘。今回のプロジェクトは新型チップを用いてより高度なAIを実現しており、同様のチップが将来、現時点では不可能とされる機械の自動化レベルの実現を後押しすることに期待を示した。

 米著名研究機関のスクリプス研究所(TSRI)の研究者、エリック・トポル(Eric Topol)氏は、「天機芯」の開発と自動運転自転車を使った実験が、機械学習と脳型アルゴリズムを組み合わせたハイブリッド設計を示すことに成功したことで、AIの発展過程は重要な段階に入ったとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News