■大規模ストライキ

 あらゆる業界に呼び掛けられた5日のゼネスト。金融ハブの香港では従来、労働組合の影響力が弱く、ストライキ自体が珍しい。

 だが、この日は民主派のデモ隊が、地元政府に対する圧力を強めるために市全域でのストライキ実施を試み、ラッシュ時の電車運行や空の便が混乱に陥った。

 世界で最も発着便が多いといわれる香港空港(Hong Kong International Airport)では、160便以上が欠航。その多くが香港を拠点とするキャセイパシフィック(Cathay Pacific)航空の便だった。同社は欠航の理由について発表していないが、同社乗務員労組は組合員の一部がストライキを行ったことを認めた。

 主要道路のいくつかは封鎖され、また市中心部の繁華街にあるファッションブランドのアウトレットを含め、多くの店舗のシャッターは閉まったままだった。また混雑した地下鉄駅では、ストライキによって怒った通勤客とデモの参加者の小競り合いも起きた。

 AFPが確認したビデオによると、中国本土に近い香港北西部の元朗(Yuen Long)区では、デモ隊によるバリケードを粉砕しながら通過する車が映っていた。また、物を投げるデモ隊に突っ込んでいくタクシーもあった。

 しかし、デモに怒りをぶつける住民がいる一方で、共感を示す声もある。通勤途中の公務員だという男性はAFPに対し、「政府が回答しない限り、行動がエスカレートするのは確実だ」と語った。(c)AFP/Elaine YU, Yan ZHAO