【8月7日 Xinhua News】中国の月軌道超長波天文観測マイクロ衛星「竜江2号」は計画に従い、北京時間7月31日午後10時20分、地上からの制御で月の裏側の予定された区域に衝突した。こうしたプロジェクトの成功は「竜江2号」が世界で初めて、地球―月遷移軌道、月接近制動、月周回軌道入りを単独で行ったマイクロ衛星となった。またより低コストの新しい宇宙探査方式の摸索も行われた。

 「竜江2号」は昨年5月21日、月探査機「嫦娥4号(Chang'e-4)」のための通信中継衛星「鵲橋」と一緒に打ち上げられ、5月25日午後10時、順調に月周回軌道に入った。重量47キロ、設計寿命1年で、実際の軌道上での運行日数が437日となり、既定の任務を終えた。

 「竜江2号」には中国科学院国家空間(宇宙)科学センターが開発した超長波探査装置とサウジアラビアのアブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ国王科学技術都市(KACST)が開発した月小型光学イメージング探査装置が搭載されていた。

 超長波探査装置は月を利用して地球からの電波妨害を遮り、超長波天文観測と太陽放射研究の技術的検証を行うことが主な目的。

 「嫦娥4号」の国際協力ペイロードの一つ、サウジアラビア月小型光学イメージング探査機の主な目的は月に接近し、観測することで、月周回軌道上で30回撮影し、月面の「雨の海」の鮮明な画像や(地球の)ペルシャ湾、紅海、地中海、アラビア半島などの地域と月が一緒に写った複数の探査画像の撮影に成功した。中国と「一帯一路(Belt and Road)」沿線国が宇宙分野の協力で得た代表的な成果となり、中国サウジ宇宙協力事業の幕開けとなった。

 「竜江2号」は民間国際交流も促進した。打ち上げにあたり、ハルビン工業大学の研究チームは国内4カ所の地上ステーションで準備作業を終え、さらに日本の和歌山大学やオランダのドゥビングロー25メートル電波望遠鏡などと合同で世界40余りのUV地上ステーションによるデータ受信に参加した。今年2月、中国チームはオランダ、ドイツの協力パートナーと撮影した「最も美しい、地球と月が一緒に写った写真」が英紙「インディペンデント」や米誌「サイエンス」に掲載され幅広く注目された。(c)Xinhua News/AFPBB News