【8月11日 CNS】中国・上海市で「上海市生活ごみ管理条例」が7月1日に施行されてから、「ごみの分類」は上海市民が最も関心のある話題になった。多くのIT企業は、人工知能(AI)の得意な画像識別技術を使い、スキャンすることで即座にごみの種類を識別し、複雑だった分類を簡単にしようとしているが、専門家は、人間による「訓練」も必要としている。

 先日、市内徐匯区(Xuhui)で催された町内の「おばさんチーム」とAIによる分類ごみの識別競争は、市民の耳目を大いに集めた。

 この競争は、ごみ分類の技術的なテクニックを高めることが目的で、ルールは単純だ。町内の「おばさんチーム」がごみを見てその分類を口頭で言い、同時にAIも同じごみを「スキャン」することで、どんなごみに属するか判断する。

 最後は「おばさんチーム」が勝利し、招聘(しょうへい)状を獲得、ごみ分類に関する「AIの訓練師」(ボランティア)となった。

 ごみを分類すること自体は人々の心の中に根付いたが、市民の中には「タピオカミルクティーの中のタピオカはどのごみになるか」「ザリガニの各部位はどのように区分するのか」「乾いたごみか、湿ったごみか」など、「分類の仕方が分からない」「間違えたら面倒だ」と当惑する向きもある。 

 前述の「おばさんチーム」とAIの戦いは「おばさんチーム」の完勝だったが、近い将来、両者は互いに協力し合えるかもしれない。AI画像識別によるごみ分類プロジェクトの責任者である景基恒(Qing Jiheng)さんは、「AIの画像識別機能はごみ分類に必ず役立つ。ミスの修正や補てんなどを繰り返すことにより、AIに学習させ、分類能力を改善・向上させることができる。ある意味、人間は誰でも「AIの訓練師として、環境保全に貢献できる」と語る。

 専門家によると、AIが生活ごみの分類に参入することは絵空事ではなく、町内のボランティアらの助力で、AIによる分類は必ず日増しに改善されていくだろうという。(c)CNS/JCM/AFPBB News