【8月5日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、週末に相次いで発生した二つの銃乱射事件で計29人が死亡したことを受け、「わが国にはヘイト(憎悪)の居場所はない」と非難した。ただ事件後、トランプ氏自身の言動が問題の一端だとの批判も上がっている。

 米国では3日にテキサス州エルパソ(El Paso)にある小売り大手ウォルマート(Walmart)の店舗で男が銃を乱射し、20人が死亡。またその約13時間後の4日未明、オハイオ州デートン(Dayton)の繁華街でも銃乱射事件が発生し、9人が死亡した。

 週末の事件についてトランプ氏はまた、「とても、とても深刻に精神を病んでいる人たち」によるものだとの認識を示し、事件が精神疾患の影響によるものだったのかどうか警察が確認していないにもかかわらず、銃乱射を精神疾患と結びつける発言に及んだ。

 さらにトランプ氏はツイッター(Twitter)の投稿で、エルパソの事件について「臆病者の仕業」と表現。しかし一方で、トランプ氏による習慣的な移民蔑視発言が外国人嫌悪を政治の主流へと押し込め、白人至上主義を助長しているとの批判も上がっている。

 2020年米大統領選の民主党予備選の候補者たちからも銃乱射事件の責任の一端はトランプ氏にあるとの非難の声が上がっており、インディアナ州サウスベンド(South Bend)現市長のピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)氏はツイッターで、「わが国の大統領はこうした国産テロリストたちと対決することも、武器を取り上げることもしていないどころか、彼らの憎悪を増幅させ、容認している」と批判。

 また、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員も「大統領閣下、あなたの人種差別的で憎悪に満ちた反移民発言をやめたまえ。あなたの言葉が暴力的な過激派をつけあがらせる風潮を作っている」と非難した。(c)AFP/Gilles CLARENNE, with Megan Jelinger in Dayton