【8月5日 AFP】4日に行われた19F1第12戦ハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2019)決勝で、悔しい2位となったレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)だが、レース後には大人のドライバーに成長したことをうかがわせる落ち着いたコメントを残した。

 ドライバーとしての腕は確かな一方、ときに失礼に思えるほど率直なコメントを残してきたフェルスタッペンは、この日はそうした評判にたがわない部分と、成熟ぶりとの両方をのぞかせた。

 F1参戦5年目となる21歳は、今回のハンガリーGPで93回目の挑戦にしてようやくポールポジションを獲得し、決勝でも通算8勝目に近づいているかにみえたが、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が驚きのツーピット戦略を取ったことで抜かれ、激戦の末に2位で大会を終えた。

「退屈なシーズン」とも言われる今季、フェルスタッペンの周辺では最近、フェラーリ(Ferrari)やメルセデス移籍をめぐるうわさが噴出し、本人も、メルセデスのマシンに乗れば他の選手もハミルトンと同じような結果が出せるとほのめかすコメントを残していた。

 そうした中で、今は自制が必要だと分かっていたのか、ハンガリーGPにいたのはかつての「マッドマックス」ではなく、感情のコントロールを覚えた青年だった。フェルスタッペンは「全力を尽くしたが、僕らには速さが足りなかった。トップを守るのは難しかったし、現実的にならないといけない」「それでも非常に前向きな週末だった。ポールポジションに立って、2位でレースを終えられた」と話した。

 フェルスタッペンの成長がよく表れていたのが、戦略の差で敗れたチームに怒りや失望を見せなかったことだった。

「僕らはワンストップで行き、彼らはチャンスを見つけて2回目のピットストップをした。きょうはそれがはまった」「もちろん、2位の方がギャンブルに出やすい。ツーストップを試しても、最悪でも2位は守れるんだからね」

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表も、フェルスタッペンに対して「残念ながらメルセデスの賭けが成功した」「でも君も全力で走ったし、本当によくやった」と話している。(c)AFP