【8月4日 AFP】アフリカ南部モザンビークは3日、エボラ出血熱の感染拡大を予防するため、マラウイとの国境沿いに検査所を設置した。モザンビーク保健省幹部が明らかにした。

 エボラ出血熱をめぐっては、昨年8月にコンゴ民主共和国の東部で流行が始まり、これまでに1800人以上が死亡している。

 これまでのところ、モザンビークではエボラ感染は報告されていないが、コンゴに隣接する国々は厳戒態勢を敷いており、世界保健機関(WHO)も「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言している。

 保健省の当局者によると、検査所の運用が始まったのは、ザンベジア(Zambezia)州のミランジェ(Milange)郡とモルンバラ(Morrumbala)郡。

 ザンベジア州の保健当局トップは記者会見で、「検査所の設置は、保健省とWHOが他の国々への感染拡大を防ぐために定めたガイドラインによるもの」と説明。検査所の目的は、「発熱があったり、コンゴ(民主共和国)滞在歴のある人物と接触を持ったりしたモザンビークへの入国者全員を追跡調査すること」だという。

 その一方、ルワンダ政府は1日、国境に隣接するコンゴの都市ゴマ(Goma)で3人目のエボラ感染者が確認されたことを受け、コンゴとの国境を閉鎖した。

 エボラ出血熱をめぐっては、2013年12月から西アフリカで2年超にわたり大流行が続き、約2万9000人が感染、1万1300人超が死亡した。

 昨年8月に始まった今回の流行では、コンゴ民主共和国保健省によると、これまでに1823人が死亡しており、既に2013~16年の大流行時に次ぐ死者が出ている。

 また同国の大統領府は3日、ゴマ郊外にある複数の医療施設でエボラ出血熱に感染した疑いがあると診断された12人に対し、検査を受けるよう命じたと明らかにした。人口が密集する大都市ゴマでは、数日前までに3人がエボラの陽性反応を示した。

 この他、感染疑いで検査を受けていた6人は2日、陰性であることが判明し、退院したという。(c)AFP