【8月3日 AFP】テニス、シティ・オープン(Citi Open 2019)は2日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第1シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は3試合連続でシューズに問題が起きたものの、第10シードのブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)に7-5、6-0で快勝し、ベスト4入りを決めた。

 5日に発表される最新の世界ランキングで5位に浮上するとみられるチチパスは、1時間14分でペールを一蹴したが、試合の重要な場面でひもが切れて左足のシューズを履き替えるアクシデントに見舞われた。

 この場面ではペールが試合が中断したことに不満を訴えたが、その後自身がシューズを履き替えることを申し出た際には疑惑の目が注がれ、いわゆる「シューゲート」として瞬く間に話題になった。

 第2セットをゲームカウント2-0でリードしていた場面で、チチパスは左足のシューズのひもが切れてしまい、ベンチに戻って新しいものに履き替える間に試合は中断された。「フォアハンドで足を滑らせた際に、ひもが最後の穴のところで切れた。ひもの部分が地面に当たり、そのときの摩擦で切れてしまったんだ」

 この予期せぬ中断にペールはいら立ちを募らせ、アンパイアにクレームを入れたが受け入れられなかった。

 チチパスは「ある意味で彼は正しかった」「前にもこういうことが何度も起きていて、ずっと悩まされているんだ」とすると、「わざとやっているわけじゃない。一部の人は意図的にやっていると考えているようだ。コートで全力を出そうと頑張っていると、重要な場面でこういうことがよく起きてしまう」弁解した。

「きつく締めていないシューズでプレーを続けるのは、自分もすごくいらいらする。ラリーの間に脱げてしまうことがあるからね。スペイン・バルセロナで、実際に一度そういうことがあった」

 すると今度は、ペールがシューズを履き替えるために試合を中断する場面があった。同選手はその際に審判に向かって悲痛な表情を浮かべると、左足のシューズを指しながらベンチに歩いて行ったが、これは抗議のジェスチャーのようにも見えた。

 チチパスは「あれはおかしかった」とペールの動きを思い出して笑いながら話すと、「笑うべきか真面目な表情を保つべきか分からなかったよ。おかしかったね」と続けた。試合が終わると、両者は一緒に笑いながらネットを挟んで握手を交わしており、チチパスはペールとの関係は良好であると明かした。

「シューズのひものことでは、何のわだかまりもないと彼は僕に話してくれたよ」

 今回の騒動については、チチパスと準決勝で対戦することが決まったオーストラリアのニック・キリオス(Nick Kyrgios)も、「あれはすごく滑稽だった」と話していた。(c)AFP/Jim SLATER