【8月6日 AFP】アジア各国は、先進国のごみ捨て場にされることにうんざりし始めており、最近になり、海外から送られてきた廃棄物入りコンテナ貨物を返送する動きが広がっている。リサイクル資源の最大輸入国だった中国が昨年、世界の使用済みプラスチックの輸入禁止に踏み切ったことが背景にある。

 各国の現状を紹介する。

■中国

 中国は2018年1月1日、国内の環境と大気保護のため、海外からのプラスチックごみおよびほとんどのリサイクル資源の輸入を禁止した。同国は長年、世界各国からプラスチックごみを受け入れ、その多くを製造業者が使用できる高品質の材料に加工してきた。

 NGO「焼却代替のための世界連合(Global Alliance for Incinerator AlternativesGAIA)」によると、中国の輸入禁止を受け先進国は、「低品質で価値のない」またはリサイクル不可能なプラスチックごみの新たな受け入れ先を探さざるを得なくなった。この結果、膨大なごみが東南アジアに輸出されることになったという。

■マレーシア

 マレーシアは5月下旬、汚染プラスチックごみ450トンを、輸出元であるオーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、日本、サウジアラビア、米国に返送すると発表した。だが、リサイクル業者向けの均質できれいなプラスチックごみの輸入は禁止していない。

■フィリピン

 フィリピンは6月下旬、コンテナ69個に詰め込まれ6年間放置されていたごみをカナダに返送した。事の発端は、カナダ企業が再生可能プラスチックと偽って表示したごみをフィリピンに輸出した2013年と14年までさかのぼる。

 コンテナの実際の中身は紙、プラスチック、電子機器、家庭ごみなどで、生ごみやおむつも交ざっていた。ごみの一部はフィリピン国内で廃棄処分されたが、大部分は地元の港湾に何年も放置されたままだった。