スーダン軍事評議会とデモ隊指導部、暫定憲法で「完全な合意」
このニュースをシェア
【8月3日 AFP】スーダンを暫定的に統治している軍事評議会と民政移管を求めるデモ隊の指導部が、暫定憲法に関して「完全な合意」に至った。仲介したアフリカ連合(AU)が3日、明らかにした。
AUのモハメド・エルハセン・レバット(Mohamed El Hacen Lebatt)氏は記者団に対し、「両陣営が暫定憲法に関して完全に合意したと、スーダンとアフリカ、世界に向けてお知らせする」と語った。今後、技術的な詳細と、正式な調印式典について詰めの協議が行われるという。
発表の後、交渉が行われていた首都ハルツームの建物にいた報道陣からは歓声が上がった。現場にいたAFP記者によると、建物の外にいた群衆はスーダンの国旗を降って「民政、民政」と声を上げ、車はクラクションを鳴らし、女性たちは涙を流した。
軍事評議会側は交渉が行われていた建物からすぐに立ち去ったが、デモ隊指導部は残って報道陣からの質問に答えた。
デモ隊指導部のイブラヒム・アルアミン(Ibrahim al-Amin)氏はAFPに対し、「治安や司法の独立、内閣の権限、統治評議会に関わるセンシティブな諸問題について合意に達した」と述べた。デモ隊指導部のモンゼル・アブ・アルマーリ(Monzer Abu al Maali)氏は、今回の合意の下で、準軍事組織「即応支援隊(Rapid Support Forces)」は軍司令官の指揮下に入ると説明した。
同国のデモを数か月にわたり主導してきた自由・変革同盟(Alliance for Freedom and Change)と軍事評議会の協議は長期化していた。主な争点は、提案されている軍民合同の統治機構の権限、治安部隊の展開、デモ絡みの暴力についての将官の免責だった。
デモ隊側は、暴力で死傷者を出してきたとして即応支援隊を非難してきた。6月3日には、軍本部前で数週間にわたって座り込みを続けるデモ隊を武装した軍服姿の男たちが強制排除し、デモ隊とつながっている医師らによると少なくとも127人が死亡した。
軍事評議会は2日、暫定憲法に関する合意の発表に先立ち、10代のデモ参加者らを殺害したとして、即応支援隊員9人を逮捕したと発表していた。逮捕された9人には、スーダン中部の町アルオベイド(Al-Obeid)で先月29日、燃料とパンの不足に対する抗議デモに参加していた高校生4人と他2人を殺害した容疑が掛けられている。この事件を受けて、スーダン全土に怒りが広がっていた。
デモ隊に近い医師らによると、今月1日にも、ナイル川(Nile River)を挟んで首都ハルツームに隣接するオムドゥルマン(Omdurman)市でデモ参加者4人が射殺された。軍事評議会は、この事件についても捜査するとしている。(c)AFP/Haitham EL-TABEI / Abdelmoneim ABU IDRIS ALI