【8月3日 AFP】ボクシング、世界ミドル級王者サウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)のIBFベルトが剥奪されたと、プロモーターを務めるオスカー・デラホーヤ(Oscar De La Hoya)氏が2日、明かした。タイトル防衛が懸かっていた指名試合で、対戦相手との交渉がまとまらなかったことが理由だという。

 WBAとWBCのタイトルも保持しているアルバレスは、ウクライナのセルゲイ・デレイビャンチェンコ(Sergiy Derevyanchenko)との一戦に向けた交渉が決裂し、IBFの王座を手放すことを余儀なくされた。

 自身も現役時代に数々の世界タイトルを獲得していたデラホーヤ氏は、「世界最強のファイターに世界タイトルを手放すことを強制したIBFに、極めて失望している」と怒りをあらわにした。

「われわれは彼(デレイビャンチェンコ)の陣営に対して、その限られた名声や人気と比較して前例のない金額を提示した。しかし、本当のところは彼らが契約をまとめる意思があったのか定かではない」

「それよりも、彼らはカネロ(アルバレスの愛称)にベルトを手放すように仕向けたかったのだ。これはボクシングへの侮辱であり、何よりも世界中のボクシングファンを侮っている」

 5月に行われたダニエル・ジェイコブス(Daniel Jacobs、米国)戦で、12ラウンドの末に判定勝ちを収めてIBFのベルトを獲得したアルバレスは先日、毎年恒例となっていた9月のファイトを回避することを決め、10月にデレイビャンチェンコとのファイトに臨むと見られていた。

 一方、米ウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)は同日、デレイビャンチェンコが空席となったIBF王座を懸けて、元世界ミドル級統一王者のゲンナディ・ゴロフキン(Gennady Golovkin、カザフスタン)との交渉に備えていると伝えた。(c)AFP