【8月6日 CNS】中国東方航空(China Eastern Airline)の「電源不要型電子手荷物タグ」の使用が7月30日、上海虹橋空港(Shanghai Hongqiao International Airport)で正式に始まった。この型式のタグの使用は、世界の民間航空業界で初めてとなる。

 虹橋空港と首都空港を結ぶ路線が新型タグ使用の初路線となり、30日に行われたセレモニーでは、北京に向かうリピーターVIP旅客に新型タグが贈られた。

 同航空の地上サービス部受託荷物管理センターの沈辰毅(Shen Chenyi)総経理は「今回タグを渡したリピーターにモニターとなってもらい、タグの使い勝手をリポートしてもらう。その内容に基づいてさらに改善し、モニターの支持を得てから、第1段階として4000人の客を対象に新型タグを試してもらう計画だ」と話した。

 8月からは東方航空アプリで、新型タグを試して使い勝手を報告する意思のある旅客に対し、無料贈呈の申請手続きができるようになった。計画では、遅くとも9月までには、上海の2か所など拠点空港の荷物預かりカウンターで全面的に新型電子タグのサービスを開始し、荷物預けのセルフカウンターの開設も視野に入れている。

 電子タグは、繰り返し使用可能なため、従来の粘着紙に代わり民間航空業界で注目され、いくつもの航空会社がトライアルを始めていた。しかし、従来の電子タグは電池を内蔵するタイプだった。これに対し、東方航空が開発したものは世界初の「電源不要型電子タグ」だ。これは繰り返し使用できるだけでなく、壊れにくく、電池の寿命の制限を受けない。さらに世界各国で異なる電池の規制内容を心配する必要がない。

 これはNFC(近距離無線通信)技術のうち中国が知的所有権を有する充電技術を使い、実現できた。旅客がスマホを近づけると、電子タグはスマホから電力をもらい、フライト番号や受託荷物のデータも受領する。

 東方航空はすでに、中国の民間航空会社としては初めてRFID(非接触型自動認識技術)を利用した受託手荷物の全面追跡システムを採用していたが、このシステムと新型電子タグの二つの最先端技術を連係させることで、旅客が預けた荷物の位置を正確に把握できるようになった。

 今後、電子タグ使用可能なフライトでは、旅客が東方航空アプリでチェックインや手荷物の預けが全て自動的にでき、安全検査を通過するまで一枚の紙も必要なく、人手による手続きが全くないという状況が実現すると予想される。(c)CNS/JCM/AFPBB News