【8月2日 AFP】バングラデシュ首都ダッカで2日、頭部が結合した3歳の双生児の分離手術が無事完了した。ハンガリー人医師団が執刀した、2人の頭蓋骨と脳を分離するこの手術は、30時間にも及んだという。

 双子のラベヤ(Rabeya)ちゃんとルカヤ(Rukaya)ちゃんの頭部結合は、まれな発生学上の異常で、500万~600万件の出産に1件の割合で起こると推定されている。

 両親から支援要請を受けたハンガリーの慈善団体が、35人から成る医師団を結成。手術はダッカ市内の軍事病院で行われた。分離後には、ハンガリーで組織拡張法を用いて準備した軟組織で傷口を覆う処置を行った。

 昨年には分離手術に先立つ第1段階として、2人が共有していた脳の血管を分けるため、14時間に及ぶ手術が行われていた。

 その後、今年1月から6か月間の第2段階で、ハンガリー首都ブダペストに渡った2人は、頭皮と頭部軟組織を拡張するための器具の移植を受けていた。

 同慈善団体の創設者の一人で、整形外科医のゲルゲイ・パタキ(Gergely Pataki)氏は先月、AFPの取材に対し「私が今まで目にした中で最も処置が難しい形態異常の一つ」だと話していた。

 また団体のもう一人の創設者で、神経外科医のアンドラス・チョーカイ(Andras Csokay)氏によると、分離後の2人の容体は「安定している」という。(c)AFP