【8月2日 AFP】米インターネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は1日、フランスが導入を決定した大手IT企業を対象とするデジタル課税について、税額相当分を自社サービスである第三者間のオンライン市場「マーケットプレイス」の利用手数料などに転嫁する意向を明らかにした。

 フランスでは先月、大手IT企業の納税額引き上げを目的としたデジタル課税法案が主要経済国で初めて議会で可決され、成立した。このデジタル課税は米IT主要大手4社のグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン・ドットコムの頭文字をとって「GAFA税」とも呼ばれている。

 同法は今年1月1日にさかのぼって適用され、アマゾンのマーケットプレイスのような第三者間で商品を売買するオンライン市場の提供やデジタル広告、ユーザーデータの販売で得た収入の3%を課税する。

 アマゾンはAFPの取材に対し、「われわれは非常に競争が激しく利益の少ない小売業界で事業を展開し、顧客やパートナー企業のため新たなツールやサービス開発に巨額を投じており、さらなる課税には耐えられない」と文書で回答。

 また「今回の措置は、フランスの中小企業を外国の同業他社との競争で不利な立場に置く可能性もあり、その点を当局に指摘した」と説明した。

 米国の大手IT企業は通常、欧州連合(EU)の中でも法人税の低いアイルランドやルクセンブルクにEU内で稼いだ収益を迂回(うかい)させ、莫大(ばくだい)な利益を上げている他の国での納税額をごくわずかに抑えている。

 仏財務省によると、デジタル課税の対象となるのは世界で7億5000万ユーロ(約890億円)、フランスで2500万ユーロ(約30億円)以上の売り上げがある約30社の大企業。一方で米国側は課税に反発しており、報復関税をちらつかせるなどの動きに出ている。(c)AFP