【8月1日 AFP】(更新)参院選後初の臨時国会が1日召集され、重度の身体障害のある「れいわ新選組」の舩後靖彦(Yasuhiko Funago)氏と木村英子(Eiko Kimura)氏が車いすで初登院した。

 舩後氏は筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を、木村氏は脳性まひを患い、生活は介助者が頼りだ。だが、両議員が受ける公費負担の「重度訪問介護」制度には、就労中はサービスを利用できない規定があることが、2人の当選によって脚光を浴びることとなった。

 この規定について、両議員や障害者支援の活動家らは、働く意欲のある障害者に不利益をもたらす結果となっていると指摘している。木村氏と舩後氏の登院時の介助費用は参議院が負担することが決まったが、両氏は制度そのものの広範な改正を求めている。

 支援者の大きな拍手に迎えられて登院した木村氏は、国会正門前で「制度の改正に時間のかかるこの大きな問題を改善していくために、これから国会の中で頑張って取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

 舩後氏は、大勢の人が集まったことに「驚いている。ご期待に応えられるようにしたい」と介助者を通じて述べた。

 両議員は特別にスロープが設置された国会の中央玄関から議事堂内に入ったものの、車いすで議場に向かうためのエレベーターは1か所しかないため、裏口から入り直さなければならなかった。

 国会関係者は、両議員のニーズに応えるべく全力を尽くすと述べる一方、限界もあると指摘する。ある国会関係者はAFPの取材に対し、国会議事堂は「バリアフリー」という言葉がまだ知られていない時代に建てられた古い建物なため、中央玄関と議場をスロープやエレベーターで結ぶのは技術的に難しいとの見方を示した。

 参議院では臨時国会に先立ち、固定されたいすを撤去して両議員が使用する特別な車いすのスペースを確保するなど88万円を投じて改修が進められ、議場での介助者の同席も認められた。(c)AFP/Miwa SUZUKI