【8月1日 AFP】ラグビー元オーストラリア代表のスター選手であるイズラエル・フォラウ(Israel Folau)は1日、同性愛者への暴言を繰り返して解雇処分になったのは不当だとして、同国ラグビー協会(Rugby Australia)とスーパーラグビー(Super Rugby)のNSWワラタス(NSW Waratahs、オーストラリア)を提訴したことを認めた。フォラウは謝罪と損害賠償に加え、再びプレーする権利を求めているという。

 スーパーラグビーの歴代最多トライ記録を持つフォラウは、オーストラリアラグビー協会と4年総額400万豪ドル(約3億円)の契約を結んでいたが、ソーシャルメディア上でゲイや自分が罪人とみなす人々には「地獄が待っている」と書き込み、5月に解雇処分が下っていた。

 敬虔(けいけん)なクリスチャンとして知られるフォラウは異議申し立てを行わず、その後の調停も決裂したことを受け、人々の間で意見が二分している今回の一件を法廷に持ち込むことにした。

 豪紙によれば、メルボルンの連邦巡回裁判所に今週提出された8ページにおよぶ訴状の中で、フォラウは信仰する宗教を理由に解雇してはならないと定めるオーストラリアの職場関係法の下では、自身の契約解除は不当だと主張している。

 以前の報道では、フォラウはスポンサーや今後のマーケティング機会を失ったとして、損害賠償額は1000万豪ドル(約7億5000万円)になると見積もられており、その額は協会に甚大な損害を与える可能性があると伝えられていた。

 協会は今回の件についてコメントしていないが、フォラウは昨年に同様の騒動を起こした際に今後は性的指向に関して侮蔑しないことに合意していたとして、解雇は契約に基づいた処分だったと一貫して主張している。(c)AFP