【8月1日 AFP】米国は7月31日、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相を制裁対象に追加し、同外相を実質的に拒絶する措置を取った。米政府は、米国内にあるか、米法人の支配下にあるザリフ氏の資産はすべて凍結されると発表。さらに、同外相への渡航制限を目指していく方針を示した。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官は声明で、「ザリフはイラン最高指導者の無謀な計画を履行し、世界中で政権の主要な代弁者の役割を果たしている。米国はイラン政権に対し、同政権の最近の行動は全く容認できないとの明確なメッセージを伝えている」と表明した。

 米政府は今後、ザリフ氏の資産凍結に加え、世界各国を訪れる外交官としての活動能力に強い圧力をかけていく方針。ただし、同氏が米ニューヨークにある国連本部を訪れることについては、厳しい制約が課されるものの、引き続き可能とみられている。

 ザリフ氏はこれまで、秘密の核開発計画の隠れみのだと米国が主張するなど物議を醸してきたイラン原子力産業をめぐり、米国などとの緊張緩和に向けた取り組みの中心を担ってきた。

 だが、匿名のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権高官は、外交面での同氏の印象は偽物だと主張。「重要な問題は、彼がイラン政権の誠実で合理的な交渉窓口(中略)という皮をかぶっていることだ。彼はそんな人物ではないということが、きょうの要点だ」と述べた。(c)AFP