【8月1日 AFP】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題で、独ミュンヘン(Munich)の検察当局は7月31日、同社傘下アウディ(Audi)のルパート・シュタドラー(Rupert Stadler)前会長ら4人を起訴したと発表した。「ディーゼルゲート」と呼ばれるこの問題では、VWが4年前に初めて不正を認めて以降、数百億ユーロ(数兆円)の罰金を支払ってきたが、シュタドラー被告は同問題をめぐりドイツで初めて法廷に立つ自動車会社トップとなる可能性がある。

 ミュンヘン検察当局の発表によると、シュタドラー被告ら4人は「詐欺、証明書の偽装、違法な広告」で起訴され、経済犯罪の特別法廷での審理に出廷することとなった。審理の日程は確定していない。

 シュタドラー被告はこれにより、VWのマルティン・ウィンターコルン(Martin Winterkorn)元最高経営責任者(CEO)と刑事手続き上で同じ段階に置かれた。2015年9月に発覚した排ガス不正問題は、世界で1100万台の自動車に影響し、ウィンターコルン被告の辞任につながっていた。

 ウィンターコルン被告は今年4月、独ブラウンシュワイク(Brunswick)の検察当局により、重大な詐欺、不正競争防止法違反、背任の罪で起訴された。

 両被告の審理開始時期は、ミュンヘンとブラウンシュワイクの裁判官にゆだねられる。ミュンヘンとブラウンシュワイクはそれぞれ、アウディが本社を置くインゴルシュタット(Ingolstadt)とVWが大型工場を持つウォルフスブルク(Wolfsburg)に近い。(c)AFP/Tom BARFIELD