【7月31日 AFP】中東ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で、イランとの緊張が高まる中、英船舶の護衛に当たっている軍艦の司令官が31日、イランは英海軍の決意を試そうとしているように見えると語った。

 英BBC放送の電話インタビューに答えたのは、英フリゲート艦モントローズ(HMS Montrose)のウィリアム・キング(William King)司令官。

 ペルシャ湾(Persian Gulf)の入り口に位置し、一触即発状態にあるホルムズ海峡を巡視しているここ27日間に、「イラン軍との接触」が85回に上ったとキング氏は明かし、その多くが無線を介した「警告の応酬」につながったとしている。

 キング氏は「イラン人らは、わが軍の決意や反応を試そうと躍起になっているように見える」と述べ、「われわれは法を完全に順守して国際水域にいるが、イラン側は恐らく違法な侵入だと主張するだろう」という見方を示した。

 モントローズは、今年4月から3年の予定で同域に派遣されており、昨年バーレーンに開設された英海軍基地を拠点としている。

 今月4日、イベリア半島(Iberian Peninsula)南端の英領ジブラルタル(Gibraltar)の自治政府当局は英海兵隊の支援を得て、欧州連合(EU)の制裁に違反してシリアへ原油を輸送していた疑いのあるイランの石油タンカー1隻を拿捕(だほ)した。

 イラン側が報復をちらつかせたことから、モントローズは世界で最も石油タンカーの通行量が多いホルムズ海峡周辺での護衛を開始。にもかかわらずイラン側は19日、同海峡で英国のタンカーを拿捕し、同船は今もイランの港で抑留されている。(c)AFP