【8月1日 Xinhua News】中国が独自知的財産権を有する長時間飛行が可能な中・大型無人ソーラー航空機「墨子Ⅱ型」が7月27日、浙江省(Zhejiang)湖州市(Huzhou)徳清県(Deqing)の莫干山通航机場(一般航空用空港)で初飛行に成功した。中国の航空機関連企業、上海奥科賽飛機有限公司が30日、明らかにした。同機は同社が2年をかけて研究開発した。

 同機は「Ⅰ型」と比べ、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換(光電変換)の効率、飛行時間などで性能が大幅に向上しており、実用化も近い。現在「墨子Ⅱ型」は、移動通信事業者や5G(第5世代通信システム)、セルラー機器メーカーなどと協力し、低空層デジタル化産業の配置を進めている。

「墨子Ⅱ型」は翼幅が15メートル、4台のモーターに太陽電池が電力を供給する。さらに蓄電池も搭載され、太陽光による電力のみで高度6000から8000メートルの飛行が可能で、飛行中に排ガスを一切出さない。今回の初飛行における主な試験項目は空気動力や光電変換効率、完成機構造、飛行安定性、操縦システムなどで、試験により空力効率は優れることが証明された。

 また、水平尾翼が機体の下方に移されたため、安定性が増し、より過酷な天候状況にも対応可能となった。ソーラー発電効率は「Ⅰ型」の16%から23%に向上し、好天時には12時間の連続飛行が可能。

 気象条件が許す限り、無人ソーラー航空機は雲の上を低速度で飛行し、日中の場合は充電しながら飛行を続けることが可能で、被災地への救助活動や情報収集などの分野への応用が期待されている。(c)Xinhua News/AFPBB News