【7月31日 AFP】米ミシガン州デトロイト(Detroit)で30日、2020年大統領選に向けた野党・民主党の2回目の公開討論会が始まった。支持率上位のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員とエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員が登壇した初日は米経済立て直しの道筋について激論が交わされ、国民皆保険制度の創設といったリベラルな政策を掲げる両氏を穏健派候補らが攻撃。2人が守勢に立たされる場面も見られた。

 親友同士でもあるサンダース氏とウォーレン氏は、共に左寄りの政策を唱えながら草の根運動を展開し、精力的に活動を続けている上院議員だ。

 ウォーレン氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対する政治的な「軟弱さ」が「富裕層や強い人脈を持つ人々に有利で、ほか全ての人々には不利な制度」をそのままにさせてしまっていると主張し、「大規模な構造改革」の即時実施を求めた。

 しかし、保険制度改革をはじめとする米経済の劇的変化を求めるウォーレン氏やサンダース氏に対しては、一部の穏健派からすぐさま明快な反論が上がった。

 ジョン・ディレイニー(John Delaney)元下院議員は、「われわれには選ぶ権利がある。国民皆保険制度といった悪い政策を掲げるサンダース氏やウォーレン氏が導こうとしている道を行くこともできるが、不可能な約束は無党派層を遠ざけ、トランプ氏の再選につながる」と痛烈に批判した。

 討論会が行われたミシガン州は2016年の米大統領選でトランプ陣営に奪われた激戦州。31日の討論会には最有力候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領が登壇するほか、カマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員や、人種問題でバイデン氏を強く非難しているアフリカ系のコリー・ブッカー(Cory Booker)上院議員が参加する。

 民主党の大統領候補指名争いは立候補者が乱立している。今回の公開討論会では多くの候補がふるいにかけられ、9月の次回討論会までに候補者は半分ほどに絞られるものとみられている。(c)AFP