【7月31日 AFP】ロシアの捜査当局は30日、モスクワで公正な市議選を求めて行われた27日の大規模デモについて、最大で15年の禁錮刑が科される「大規模騒乱」罪として捜査を始めたと発表した。

 このデモは、9月に実施予定のモスクワ市議会選で独立系候補者の登録を拒否した当局に抗議するため行われたが、警察は参加者に対して警棒を使用し、無許可でデモを行ったとして1400人近くを逮捕した。

 デモで拘束された人の数としては、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が連続3選を禁じる憲法に従って首相に転じ、4年間首相を務めた後に大統領に復帰して抗議の大規模デモが相次いだ2012年以降で最多となった。

 捜査当局は、週末に行われたデモの主催者だけでなく、参加者も捜査の対象となると説明。警察をはじめとする当局者への暴力についても捜査するという。

 生活水準の低下に対する国民の不満が高まり、プーチン氏の支持率が低下する中、当局は抗議運動の沈静化を図っており、今回の捜査もその一環として行われる。

 野党勢力指導者のアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は、先週末のデモへの参加を呼び掛けたとして、30日間拘留されている。9月のモスクワ市議会選への立候補登録を拒否された多くの野党政治家も、デモの後に拘留された。

 ロシア検察当局の高官は30日、大規模デモ関係者の捜査着手の発表に先立ち、さらに無許可デモが行われた場合は「厳格」な対応を取るよう呼び掛けていた。

 しかし、野党側はすでに新たな無許可デモを8月3日に決行すると発表し、参加を呼び掛けている。フェイスブック(Facebook)では、すでに1万3000人以上が関心を示している。

 定数45のモスクワ市議会は現在、与党・統一ロシア(United Russia)が過半数を占めている。市議会選は9月8日に予定されている。

 プーチン氏が権力の座に就いてからの20年間、反政権を掲げる政党は国政から締め出されており、地方選は反体制派が政界に入る貴重な機会になっている。(c)AFP/Theo MERZ