【7月31日 AFP】米中両政府は31日、中国の上海で公式の貿易協議を行う。世界2大経済国である米中は1年にわたる貿易戦争で関税と非難の応酬を繰り返しており、協議はこの争いに終止符を打つ取り組み。しかし、トランプ氏は30日にもツイッター(Twitter)上で中国側の交渉姿勢を批判し、協議の先行きに懸念を引き起こしている。

 米国のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)通商代表とスティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官は30日に上海入り。すでに中国当局者と夕食会談と非公式対話を行ったとみられている。

 会談の目的は貿易協議を難局から救うことだと考えられているが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は構わず中国を非難。ツイッターに「現在、わがチームが中国側と交渉しているが、中国はいつも最後に自分の都合で合意を変える」と投稿した。

 さらに同大統領は、中国は米国の農産物の輸入を始めることになっていたが「そうしている気配はない」とし、「中国の問題だ。彼らはただ単に約束を守らない」と批判した。

 専門家らは、トランプ氏のツイートに両国政府間の緊張を緩和する効果はまずないと指摘。シンガポール企業VMマーケッツ(VM Markets)のスティーブン・インネス(Stephen Innes)氏は「貿易交渉に対する市場関係者のわずかな期待は、トランプ大統領が中国による米農産物輸入に再び言及したことで大打撃を受けた」と述べた。

 また、上海・復旦大学(Fudan University)の沈丁立(Shen Dingli)教授は一連のツイートについて、「トランプ氏が合意締結に躍起になっているように見える。彼の弱さの表れだ」との見方を示した。(c)AFP