【7月30日 AFP】国連アフガニスタン支援団(UNAMA)は30日、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバン(Taliban)と米国による和平協議が続いているにもかかわらず、18年にわたるアフガニスタン紛争で現在も「衝撃的で容認できない」数の民間人が死傷しているとの報告を発表した。

 UNAMAの報告によると、2019年1~6月の民間人死者数はこれまでで最大の死者数を出した昨年の同じ時期と比べておよそ30%減少したものの、1366人となり、負傷者は2466人だった。うち子どもの死者数は327人、負傷者数は880人で、全死傷者の3分の1近くを占めた。

 UNAMAは死傷者の減少については評価したものの、「依然として民間人に対する危害の度合いは衝撃的で容認できないものだと考えている」と懸念を示した。

 また、米国と親アフガニスタン政府部隊による攻撃で死亡した民間人の数は、タリバンやその他の反政府勢力の攻撃による民間人死者数より多かったとも指摘。米国を含む親アフガニスタン政府側部隊の攻撃による2019年1~6月の死者数は717人で、昨年同時期から31%増加した。

 駐留外国軍の撤収を目指す和平協議が数か月にわたって進められている一方、アフガニスタン紛争の死者数は増加している。また、その多くは地上部隊を支援する米軍および政府軍による空爆の犠牲者だという。

 国連の統計によると、同紛争による昨年の死者数は過去最多となり、子ども927人を含む少なくとも3804人が死亡した。(c)AFP